元砂 洋樹 在仏日本商工会議所 会頭

在仏日本商工会議所会員の皆様

新年明けましておめでとうございます。

2021年の年頭にあたり、謹んで新春のお祝いを申し上げます。

旧年中は在仏日本商工会議所の活動への多大なご理解、そしてご参加を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。また、会議所の活動に格別のご支援を賜りました在仏日本国大使館を始めとする日仏関係各機関の皆様方に、会議所を代表致しまして心より御礼申し上げます。

「不確実性」という言葉を使うようになって久しいと思います。また、ビジネスでは出来るだけ「予見可能性」を以て事にあたるということが重要と考えられています。しかしながら、昨年には不確実性が極限まで高まり、この世の中が予見可能性の対象にならないのではないかと思う未曽有の状況となってしまいました。新型コロナウイルス感染状況の改善の方向感が語られると、それを嘲笑うかのように状況が悪化することが世界各地で繰り返されています。

このような中、会議所としては3月の総会以来、ほぼすべての活動をオンライン上で行うという異例の2020年を経験しました。イベントに関しては唯一、ビジネスフランス(フランス貿易投資庁)やJETROとの共催で「クラブ・ジャポン」が10月末に開催されました。これも2回目のConfinementが導入される前日の大変慌ただしいタイミングとなりました。本邦からの駐在員の活動基盤に関しては、EU国境閉鎖による新規駐在員のビザ発給遅延、観光客激減による一般生活治安の悪化、本邦帰国時の日本人に対する水際対策等についての改善・緩和要望にも大使館の多大なご支援を賜りながら対応して参りました。また、医療関連では、4月にパリ・アメリカン・ホスピタルに対して些少ながら支援金をお送りし、診療や入院治療に必要な喫緊の医療物資の調達に充当頂いています。2021年も皆さまのご要望を踏まえながら、このような活動を継続してゆきたいと思っています。

外部環境に目を移しますと、欧州やフランスでは経済復興に加えて、この危機的な状況を国や社会を変革する絶好の機会として捉えよう、との意気込みを感じます。特に環境関連分野ではそのように思います。日本ではどちらかというと新型コロナ前への原状回復を先ずは企図している印象です。フランスでは「理念先行の取組み、あるべき姿や理念に基づいた政策や制度」という考え方が、この厳しい中でも活かされていると考えています。

我々、フランス進出日本企業は、この変革への動きを現地で目の当たりにして、また、それぞれの企業の視点で、いろいろな事業や案件に参加できる機会を得ているのではないかとも思います。引続き、日仏企業の協業の下で様々な知見や実績を積み上げながら、同時にその経験をフランス企業と共に日本やアジアに展開することができればと思う次第です。

2021年には、不確実性に際限があるのか、果たして予見可能性という概念が通用するのか未だわかりません。世界ではビジネスモデルや働き方など、まったく新しい発想への転換が求められる時代になると思います。日本では、仕切り直しの東京オリンピックの開催年でもあります。当地フランスで、日仏の連携における日本企業の活動を通じて、引続き日本の存在感をアピールしていければと考えます。在仏日本商工会議所としても、皆様からの積極的なご参加を得て、一層充実した活動を続けて参りたいと思います。

最後となりますが、本年も会員の皆様、ご家族の皆様が御健勝で御多幸でありますよう、心からお祈り申し上げます。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

令和三年(2021年) 元旦

在仏日本商工会議所会頭

元砂洋樹(仏国三菱商事会社社長)

 

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