第6回
今回は病欠及び身体的不適格による解雇についての相談の事例です。
質問1. 従業員が立位での仕事のために腰が悪くなり、仕事を長時間継続するのは難しくなったとして、医師の診断書をつけてしばしば病欠をし、業務に支障をきたしており困っています。この従業員をどのようにしたら解雇できるのでしょうか?
回答
2つの対処方法があります
(1) 長期間の病欠または断続的な病欠のせいで、会社の正常な機能が阻害され、病欠者のポストに代わりのものを恒常的に就任させる必要があることを証明して解雇する。
病欠の事例は、本Q & A 第3回で扱っていますので参照下さい。
解雇の事前面接に5労働日以上の期間をあけて召喚し、面接で理由を説明し、労働者の意見を聞き、2労働日以上の期間をあけて解雇レターを送ります。
(2) 労働への身体的不適格を理由として他のポストに配置転換を提案し、その提案に従わないことを理由に解雇する。
30日以上病欠した場合には労働再開前、遅くとも再開後8日以内に労働医の診断を受けさせなければなりません。
労働医による最終的身体的不適格の意見は最小限2週間の期間を置いた2回目の検診後にしか出せません。
労働医が現行ポストへの身体的不適格の所見を出した場合には、雇用者は労働医の所見を考慮して、従業員の身体に適合したポストへの配置転換を提案しなければなりません。
労働医の意見に従った結果、従業員の現行労働契約の条件と異なったポストへの配置転換の提案に対して従業員が拒否しても、雇用者は直ちに解雇できません。
雇用者は、労働医の意見に従った、他のポストを探す義務があります。
雇用者が他のポストを提案しても従業員に拒否される場合、または、その他のポストがない場合に始めて当該従業員を解雇できます。
この後の解雇手続は、上記(1)の場合と同じです。
橋本国際法律事務所
弁護士 橋本明