2021年業界見通し
在仏商工会議所会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。
2020年は新型コロナにより3月のロックダウン、11月の2回目のロックダウンによって、生活様式、ビジネスのあり方が劇的に変化した年でありました。年間を通してほぼ対面での販売が禁止されたことにより、年々成長傾向にあったE-コマース市場は想定より5年ほど前倒しで飛躍したといわれています。
以下は2020年の仏国内におけるE-コマースサイトのTOP10と利用率です。フランスは世界で6番目(日本は4位)に大きなE-コマース市場となっており、2020年の売り上げは1,152億ユーロに達すると予想されています。
1 | Amazon | 53,7% |
2 | Fnac | 27,0% |
3 | Cdiscount | 18.2% |
4 | Veepee | 13.6% |
5 | E.Leclerc | 11.1% |
6 | La Redoute | 9.9% |
7 | Showroomprivé | 9.9% |
8 | Carrefour | 9.1% |
9 | Rakuten | 9.0% |
10 | Ali Express | 8.3% |
COVID-19との共存が予想される2021年は、引き続きE-コマース市場は広がりをみせるでしょう。ECサイトやFacebookやInstagramといったソーシャルメディアを使用した認知、販売方法は、更にモバイルに特化した新しい形へと変わっていくと思われますし、音声を使用した「ボイスショッピング」「リセール市場の拡大」などのキーワードにも注目です。
しかしながら、もっとも大きな変化が予想されるのは仏人ユーザーの意識ではないでしょうか。オンライン購入に慣れてきたユーザーはオンライン市場に求めるサービスレベルも高くなります。フランスには20万を超すWEBサイトがあるとされていますが、今後のサイト選択の際には、使い勝手、配達の柔軟性、他のユーザーからの評価、チャット等の双方向のコミュニケーションなど、顧客が安心して買い物ができるサポートが重要な選択基準の一つとなっていくと思われます。
また、2020年11月にSFRが、12月にBouygues Telecom-Orangeの順に5G(第5世代移動通信システム)の商業提供を開始したこともあり、モバイルの通信性能が格段と向上していきますので、Youtubeのような動画配信のみならず、密にならずとも配信者がライブ参加者と盛り上がりながらその場で購入といった「ライブコマルス」等、動画を使ったサービスの多様化も考えられます。
最後に、E-コマース市場の拡大に伴い詐欺行為も増加傾向にあります。販売元の確認はもちろんのこと、怪しいサイトからのメッセージやリンクはクリックしない、クレジットカード番号を入れる前に送料を含めた合計金額の確認等は忘れずに行ってください。
2021年は各業界、世界中の皆様が少しでも希望に満ちた年になりますように祈念しております。
SUCRECUBEはITサポート事業と合わせ、WEB事業も行っておりますので、お気軽にご相談ください。弊社の提供するパリの情報サイト「パリエトワ」共々、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
なお、本件はあくまでも私見でありますことをご了解頂ければ幸いです。
参考出典:fevad.com / comarketing-news.fr
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シュークルキューブ テクノロジーズ
小林 正美