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夢遥かフランス・スキーリゾート/小谷野 隆 (セブン&アイホールディングス パリ駐在員事務所)

パリに赴任して早や2年が経ち、言葉の壁には苦労しているものの、生活には多少のゆとりが出てきた今日この頃です。
単身赴任の私にとって、パリはつかの間の自由気ままな生活をプレゼントしてくれています。

 

ただ、未だ果たせていない事があります。家族で冬山スキ-を楽しむことです。学生時代スキー部に所属していた私は当時年間100日以上、3日に1度はスキーに明け暮れていました。ダウンヒル、ジャイアント・スラローム、スラロームなど競技スキーをしていました。スキーとは言っても決して華やかなものではなく、毎日早朝から、ただただ辛く過酷な練習が続く毎日でした。滑っては掘れてしまうコースを足で均しながら登るという大変地味なものです。
恋人同士や数人のグループでスキ-を楽しんでいる人達を見ると、何とも羨ましく思ったものです。

いつか辛いスキーじゃなく、ヨーロッパのスキー場で長期滞在のスキーリゾートに行ってやるぞと思っていました。
日本ではなかなか体験できない本格的な高級スキーリゾートがここでは古くから確立していて、スキーの器具やウェアも、ターゲット別にきちんと販売されています。
世界的に高級リゾートとして有名な「クールシュベル」を含む「トロアバレー」や「エスパス・キリー」「パラディスキー」「シャモニ・モンブラン」など日本では想像出来ない規模の巨大スキー場が多く、まさに夢にまで見た世界です。 
スキーだけでなく滞在中のホテルライフも魅力的です。


設備の整ったホテル、美味しい食事などアフタースキーも充実して言える施設で、大人が楽しめる様なスキー場がありません。
こんなに夢にまで見た世界が目の前にあるのに、体験しようとなると高いハードルを感じてしまいます。家族がスキーをしないのです。

たまにパリに遊びに来ても、ヴェニスやバルセロナなどにはすぐに飛びつきますが、冬山にスキーなどという考え方は毛頭ありません。
夏ならクールシュベルやシャモニーでもいいけど、何で好き好んで寒い冬の雪山に行かなくちゃいけないの?ってな感じです。だからといって、一人でスキーリゾートというのも、ためらいます。


でもあきらめず何とか任期中にスキーの魅力を家族に理解してもらおうと日夜考えています。
ヨーロッパの人は生活を楽しむ事が上手だとよく言われますが、特に大人が楽しめるヴァカンススタイルが確立しているように思います。
成熟社会であると同時に、その歴史の長さを痛感します。
馬車馬のように働いて来た日本社会も、そろそろ成熟社会へのアプローチが必要なのかもしれません。
と考えつつ実現しないであろうスキープランを温めながら、憧れのスキーリゾートを妄想して今年も一人楽しんでいます。

 

ビ ストロ巡りによる思いがけない効果もありました。いまだ一向に上達する気配のない私のフランス語ですが、好きこそものの上手なれ、この分野のフランス語だ けは経済特区のようなめざましい成長を遂げ、ビストロであれば電話予約から手書きの黒板メニューの 解読、サービスの人へイレギュラーな注文をする会話までできるようになったのです。まあ何だかんだ申しまして、結論としては食い意地が張っているというこ となんでしょうか・・・?

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