イラクに自衛隊が派遣され、それに伴い多量の物資が輸送されている事と思いますが、これについては現在進行形でもあり、敢えて言及致しません。
昨今これらの物資の輸送によく使用されているのが、アントノフ124というロシアの貨物輸送機で、旧ソ連が戦争遂行に伴うロジティックス(兵站)をより効 果的なものとすべく、装甲車、戦車、大型火器、食料、兵隊等を、その名の通り、124トンの重量分を一気に輸送できるように開発された飛行機です。機内の 天井には5トンクレ-ンが4機装備され、20フィ-トの海上コンテナを、そのまま11個搭載が可能な現存する貨物輸送機では最大級の機材です。
ことほど左様に、ロジスティックスは戦争とは切っても切れない関係にある重要なものであり、太平洋戦争での日本の敗戦も、日露戦争後に゛勝って兜の緒を締め忘れた”事もさりながら、米軍のロジスティックスに完敗したものとも言われています。
このロジスティックスの概念は、欧米のものであり、つい近年までは日本に無かったものと誤解される事も多々ありますが、日本にも意外に古くから存在してお り、中でも戦国時代にこの重要性を認識して、それを十二分に活かす事により、ついに天下を取った戦国武将が、ご存知、秀吉です。
本能寺の乱で信長が討ち取られた情報を得るや、対峙する毛利勢と休戦、備中高松城から一気に姫路・尼崎に引き返した有名な゛中国大返し”、街道筋に食料・ 馬を用意させる為に姫路城の金・銀・食料を開き、2-3万からなる軍勢を一日約30KMの移動に成功した事が、その直後に山崎の合戦で明智勢を打ち破った 大きな要因と言われています。
又そののち、柴田勝家軍を粉砕した賤ケ岳の合戦の際にも、夜間1万5千の軍勢を岐阜の大垣から近江木之本間までの52KMを5時間で移動させるために、潤沢な資金をばらまいて、北国脇往還沿いの村々に、食料、松明、馬の飼料を用意させております。
我々物流業界も近頃、ト-タルロジスティクス、3PL(サ-ドパ-ティロジスティクス)とかSCM(サプライ・チェ-ン・マネ-ジメント)などとか、良く分からないカタカナ文字が溢れる中で日々奮戦している一方、お客様からは、゛物流費用削減”の大命題!!
汲々とした日々を送っているのですが...
あなたの会社も゛物流費..%削減”などと言わずに、ロジスティックスにもっとお金をつぎ込んだら、秀吉のように天下が取れるかも知れませんよ。
(そして我々物流業者も幸せになれるかも知れません。)