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橋本明弁護士事務所

  仕事面

 

しにくい点(困ったこと)

  1. 皆様は、フランスで、購入した物の配達、電気、ガスの検針等の時間の指定は、午前8時から午後1時までの5時間か、午後1時から午後6時までの5時間の2通りであることが原則で、最大半日は待たなければならないことにうんざりされたことがあると思います。
  2. ところが、フランスの裁判所も同じなのです。通常の民事、刑事、商事の事件の呼出は午前の場合9時か9時半であり、午後の場合、1時か1時半です。
  3. 9時に行けばすぐ自分の事件が審理されると思ったら大間違いで、9時に行くと、指定の法廷 のドアに午前中に審理される事件が1番から40番位まで当事者の名前を入れて張り出されています。30番以降であれば、昼過ぎまで審理の順番を待つことを 覚悟しなければなりません。従って、どんなに小さな事件でも裁判が入ると半日はつぶれることを覚悟する必要があります。
  4. 従って、フランスでの時間の単位は半日をベースとすることが良くわかります。フランスでストレス無く過ごすためには、この時間のベースに慣れる必要がありそうです。
  5. 日本の場合、裁判所は事件を30分から1時間きざみで指定しますし、配達、電気ガスの検針も時間単位が原則でしょう。
  6. ちなみにフランスにおいても、多くの弁護士は裁判所で半日待って過ごすわけにはいかないの で、隙間産業として弁護士の法廷での代理を専門とする弁護士が生まれました。フランスの裁判では、口頭弁論は最後に一回あるだけで、それまではお互いの主 張を書面にしたものを裁判所に期日に提出することを繰り返します。書類を出すだけなので、代理の弁護士でも務まるわけで、代理専門弁護士は、特定の裁判所 に一日中居て、多数の弁護士から書類の提出の代理の仕事のみを行うわけです。

しやすい点

役所の窓口等、本来融通が利かないところでも、ねばると何とかなることが多いこと。
私の最近のねばった例を挙げましょう。
クライアントの滞在許可証の更新のための午後1時の呼び出しに警察に付き添いました。早めに行ったら受付には11時半前についてしまいました。私は弁護士 というとうるさいことを言われそうなので単に付添い人と自己紹介しました。
(窓口係員)呼出状には1時と書いてあるでしょう。未だ12時にもなっていないので早すぎます。一旦出て、食事でもしてもう一度1時に来て下さい。
(我々)一旦出ると、又警察に入るのに列が長くて大変なので、今、ここで30分余り待った後で、受付に書類を出すのを認めて欲しい。
(窓口係員)それは困る。大体呼び出しの時間より1時間半も早く来た正当な理由はありますか。
(我々)実は午後2時に幼稚園に子供を迎えに行かなければならないので...(幼稚園のは迎えは4時、本当の理由は、午後1時前後、警察の担当官の交代での食事のために待ち時間が長くなることを避けるためであった)
(係員)幼稚園の迎えの時間は前からわかっているはずでしょう...そうだ解決策があります。その時間に付き添い人(私のこと!!)が子供を迎えに行けば(おやおや、変な方向へ飛び火)
(私)クライアントはフランス語ができないので付き添っており、私が離れることはできませんと断固主張します。
我々が係員と押し問答しているところに、この部署の責任者が何が問題なのとやってきたので、係員が責任者に事情を説明します。
(責任者)皆が呼出時間を守らないとせっかく計画した割り振りがうまくいかなくなり困ります(我々は、実際その通りです、すみませんといったお詫びの表情をします)。
しかし、今日は現在混んでいないので、今回だけ特別に受付を認めましょう(ヤッタ!! 実は前回の更新のときも似たようなことを言われたのですが)。
恐らく、日本やドイツではこのようにはいかないでしょうね。

 

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