在仏日本商工会議所50周年記念に寄せて

在仏日本商工会議所が50周年を迎えましたこと、心からお祝い申し上げます。

私は、丁度10年前の40周年の時に会頭に就任し2期務めさせていただきました。
当時、私はトーメンの欧州・中東・アフリカ総支配人で、ロンドンとパリを頻繁に往来している時でしたが、軸足をパリに移した直後のことでした。
それまで会頭・副会頭職は特定の会社が輪番で務めていましたから、年令にすれば、商工会議所が40才の時に、この慣行にメスが入ったわけでそれだけでも画期的でありました。
会頭に任命されて、会議所を活性化していくためには、会頭自身が小遣いさんにならなければいけないのかな、と思いました。小遣いさんになって、皆さんのお役に立つ開かれた会議所を目指したい,主権は会員1人1人にある、従って会頭は会員を生かすための代表脇役、代表小遣いさんであるといった信念のもとに、活性化のための組織作りに着手しました。初年度の 2003年では、4月に「少数精鋭ビジネス教養講座」をスタートさせ、5月に新体制の目玉の1つとして「バリュー・プラクティス(Value Practice)」講演会を開始しました。

もう1つの目玉はホームページの大幅刷新でした。生まれ変わったホームページが動き出した10月から、ホームページへのアクセスがそれまでの数十倍に伸びて、理事会で喜びの声が上がったのを思い出します。また同12月に規約の改定を行いました。規約改定のポイントは大きく2つありました。
1つは会頭、副会頭の選出方法を見直して、従来ほぼ実質上決まっていた会社名をはずして、理事の中から自由に選んでいく。それに合わせて、会頭の再任制限を設けて、任期1年で1人の人が続けて2期以上できない形にしました。

katakawa-1もう1点は副次的収入活動を認める形に定款を直したことです。従来の定款では会議所の収入は会費だけという規定だったのを、一定の限度内であるなら副次的な活動もできるという規約に変えました。ホームページのバナー広告などに、数社からご協力をいただくことになり、広告収入を得ることができました。これは会議所の財務内容の改善、即ち、6年ぶりの黒字化に大きく寄与しました。

(photo:ジェトロにて平沼大臣と会談。(2003年6月))

2期目に入りましてあらたに全員稼動というか、総意体制というか、皆さんそれぞれ、理事の方は何らかの形で会議所の活動に関与していただくような体制作りを考えました。今でも続いている委員会制度をこの時確立し、副会頭の人たちを中心に各委員会の長になっていただいて、いずれかの委員会に各理事が例外なしに所属するように致しました。
商工会議所の元来の存在理由は、進出している日本企業の皆さんを何らかの形でお役に立つようにヘルプしていく、問題解決に向けて当局に話し掛けるということだったのでしょうから、根源の方に少し戻していこうということで、我々企業のビジネス環境を調べ上げて、環境を改善していくための、ビジネス環境整備委員会を新たに設けました。
また仕事だけではなくて、会員の人には家族も子供もいるわけで、会員の家族の人たちにも商工会議所に何らかの形で関ってもらうのも1つの考え方なのではないか、会員の親睦のための各種イベントもやっていこうということで、会員親睦委員会も設けました。
また、スポーツを通じて親睦をはかるのも1つの方法ではないかと思い、ゴルフを通して会員の親睦をはかるアズイズ会を創設したのもこの時です。さらに推薦会員という制度を設置し、アドバイザリーボードも作りました。Value Practice委員会と教育・文化活動と少数精鋭ビジネス講座を合体して知的交流委員会と命名しました。現在の会議所のストラクチャーがこうして出来上がっていきました。私は結構新しいことを始めるのが好きで、切り口を充てることはできるのですが、その後の詰めは、当時の理事の皆様が協力しながら行ってくれ今でも心から感謝しています。私にとっては本当に貴重で有り難い2年間であったと心の底から思う次第です。2009年に理事を他の人に譲りましたが、会議所のあり方を討論する「将来ビジョンを考える会」にはメンバーとして残ってきており、今後も引き続き微力ながら貢献していく所存です。

在仏日本商工会議所が、益々発展して行くことを祈念申し上げ、私のお祝いといたします。

 

 

歴代会頭一覧


三宅 浩之 中島 格志 鶴岡 正三
河原畑 敏幸 石塚 徹 小田 義明
後藤 豊 片川 喜代治 北原 隆
阿波村 稔 中川 正輝 大山 昇
吉田 哲史 中川 正輝 猪瀬 威雄
左舘 晃 清水 信行 稲森 一彦
白石 義治 北野 健 佐藤 幸彦
萩原 薫 佐藤 洋夫 渡辺 昌俊
山田 史朗 小暮 治 山田 信彦
舟木 凌 江部 敬三郎 広田 弘雄
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