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第五回:水虫のお話

パリの夏は日本に比べて涼しくて、過ごしやすいですね。日本の夏は暑いだけでなく、湿度も高いです。そのような環境を喜んでいるが水虫です。

 

水虫とっても、実際動く虫がいるわけではなく、白癬菌というカビの一種なのです。パンにカビが生 えるがごとく、皮膚にもカビがつくのです。白癬菌は皮膚のケラチンが好物ですので、内臓にまで達することはありません。しかし、足だけでなく(この場合足 白癬とよばれます)、体についたり(体部白癬)、手についたり(手白癬)、股についたり(股部白癬:別名いんきんたむし)とほとんど体表のどこにでも生じ 得ます。それだけでなく、爪まで侵されることもあります(爪白癬)。また毛髪につくと脱毛の原因にもなります。

 

今回は頻度の高い足白癬と爪白癬についてお話させていただきます。足白癬(いわゆる水虫)には大 きく3種類あります。最も頻度が多いのが足の指の間にできる趾間(しかん)型、次に土ふまずなどに水ぶくれができる「小水疱(しょうすいほう)型」そして 頻度は低いが見逃されがちなのが足の皮膚が分厚く硬くなる「角化型」です。最初の2つは見た目で水虫を疑う人も多いと思います。最後の角化型は単に皮膚が 乾燥しているだけだと思って一生懸命軽石でこすっている方も多いかと思いますが、実は水虫である可能性もあるのです。爪白癬は爪が白く濁ったり、分厚く なったり、ぼろぼろ欠けたりすることが特徴です。

 

これらは見た目で診断することはできません。なぜなら水虫以外の原因でも似たような外観になることがあるからです。実際の診断法は表面の皮や爪の一部を顕微鏡で観察し、糸くずのように見えるカビを検出することで行われます。

 

私が小さかった頃、よく「水虫の薬をみつけたらノーベル賞」とか言われていましたが、最近の水虫 薬は大変よく効きます(実際誰が開発したのか知りませんが)。上記のうち趾間型と小水疱型はいづれも外用薬が有効です。ところが角化型やとりわけ爪白癬は 塗り薬ではなかなか治せません。そのような場合は内服薬が良く効きます。爪の場合6ヶ月ほど飲む必要がありますが、とてもきれいな爪に戻ることが多いで す。

 

水虫は死なない病気だからといって放っておく人も多いですが、そこからばい菌が入って足全体が腫れたり、特に糖尿病患者さんの場合、重大な結果につながることもあります。

 

予防としては、なるべく足を涼しく通気性のよい環境に置くことです。靴下は化学繊維より木綿のほうが 良いです。もしできれば革靴よりサンダルをはくようにしてください。また自分から家族にうつってしまうこともまれではありません。もし自分が水虫を持って いるなら(あるいは持っていそうであれば)伝染を防ぐために足ふきマットやスリッパを共用しないよう気をつけてください。

三村 佳弘 先生

三村 佳弘
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