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日本では、6月1日が『写真の日』であることを、皆様は御存じでしたか?

この由来は、遡ること、遠く1841年、今から160年以上も前のことになります。「1841年6月1日、長崎の上野俊之丞が島津斉興に謁見し、持参した ダゲレオタイプで傍らの世子斉琳を撮影した。そして、その銀板写真と伴に、カメラを献上した。」この資料を基に、それから110年後の、1951年に毎年 6月1日が「写真の日」として制定されました。実は、今から1世紀半以上も前に、日本に上陸した、カメラと銀板写真術は、将に、当時のフランスから渡来し たものでした。

現代のカメラそのものの原点は、1568年イタリアのダニエロ・バルバロの発明による、"Camera Obscura"(暗箱)が"通説"と言われていますが、暗箱に開けられたPin holeから入る光源は、反対側の壁面に屋外の事物の倒立像を反映すると言う原理は、既に15世紀に、かの天才レオナルド・ダヴィンチによって発見された と言われています。一方、現代の写真フイルムの原理を辿ると、18世紀に、ドイツ人のシュルツによって、「銀塩類に、有力な感光物質のある」ことが証明さ れたことに始まるとされています。

然し、前述のごとき、江戸時代の末期に日本に初めてお目見えした様な、現代の実用的「写真術」は、19世紀の二人のフランス人発明家の出現を待たねばなりませんでした。
ニエプス(Joseph Nicephore NIEPCE: 1765 - 1833)は、1813年頃から流行し始めたリトグラフィーに興味を持ち、この技法に感光物質を応用して、光化学的な手段による製版を試みていましたが、 その後「カメラ・オブスキュラ」に塩化銀を塗った紙を入れて像を固定する実験を成功させ、これを「ヘリオグラフイー」(太陽画)と名付けました。
同じ頃、パリで「デイオラマ」(風景画を反射光や透過光で照明して見せる見せ物)の興行を始めていたダゲール(L. J. M. Daguerre: 1787 - 1851)は、その下絵を描く為に利用したカメラ・オブスキュラの像を固定する方法を探し始め、1829年に、両者が共同研究契約を結び、その成果が、 1839年フランス学士院により、最初の実用的写真術「ダゲレオタイプ」として一般に公開され、この年が、広く「写真発明の年」とされています。

その2年後には、この「写真術」により、日本で人物撮影が行われたことは、既に、19世紀前半からの、日仏交流の深さを物語る史実として、誠に興味深く、それも、芸術的な交流以前に、極めてモ実用的モな形でとなると、その驚きも格別であります。
日本に写実印象派の代表として紹介され、日本の浮世絵の影響を多大に受けたと言われるモネー(Claude MONET: 1840 ミ 1926)の処女作「印象日の出」の発表すら、それから30年後の、1871年のことでありました。

昨秋、木村伊兵衛の写真展が、パリのヨーロッパ写真美術館で開催されたのを御存じの皆様も多く、きっと御覧になった方もおられると思いますが、木村氏が、1954年と55年の2度にわたるヨーロッパ旅行の途中、パリを訪れたときの作品が紹介されておりました。
当時のパリには、昨年8月逝去したばかりの巨匠カルテイエ・ブレッソンがいたし、ウイリー・ロニス、ロベール・ドワノーなど、錚々たる写真家が挙って、パ リの街を写していました。ただ当時の、作品は、殆どが白黒、木村氏の残したパリの映像は、("手前味噌"になりますが)富士のカラー・フイルムによって捉 えられ、その話題性も、一際だったと、確信致す次第です。

さて、「6月1日『写真』の日」に因んで、写真を通じての、仏日交流の歴史を、皆様に御紹介致しましたが、今日の現実に立戻って、仏日の写真市場の簡単な比較と、仏一般消費者の「写真」に対する特徴的一端などを、御紹介したいと思います。

最近、デジタル化の影響で、毎年2桁の減少傾向を辿って降りますが、2-3年前のピーク時比較ですと、フランスのカラー・フイルムの年間消費本数は、約1 億本で、人口一人当たりほぼ2本、日本はその約2.5倍に比べると、かなりConservativeですが、EUのほぼ平均的存在です。

特徴的なのは、PAP( "Prêt à photographier"、弊社愛称「写るんデス」、一般に知られる"使い捨てカメラ")の占める割合が高いことです。日本は、最盛期でカラー・フイ ルムの3割だったと言われていますが、フランスは、約2割と、日本に次ぐ第2位、世界でも追随を許さず、EU市場全体のほぼ半数を占める程です。
弊社なりのその要因分析には、フランスの1)流通形態(Hyperの力が強く、そこにマッチした商品); 2)消費者志向(価格と機能性の重視); 3)Packaging Designの重要度(デザインの生む商品価値)等が掲げられると思います。

皆様の印象は、如何でしょうか?

「写真」と言えば、特に、一般消費者動向としては、矢張り、フランスでも、最近のデジカメの急速な普及に就き、少し、触れない訳にはいかないでしょう。

先ず、デジカメの年間販売台数は、今年フランスが約5百万台程度に達するだろうと言われております。日本では、その倍の1千万台です。

そして、最近のフランスのデジカメ消費者対象調査では、購入理由のTop 3は、1位が、矢張り「価格」; 2位と3位が、非常に拮抗、「高性能」と「使い易さ」で、総じて非常に「実利的」との、結果が出ております。

皆様の今後の活動の中で、何らかの御参考になれば幸いと、思う次第です。

さて、普及率の調査では、最近になって、従来のFilm Camera(アナログ)と、デジカメの併用家庭が大半と言われておりますが、稼働台数では、この1~2年の間に、デジカメがアナログを完全に上回るだろうとの予想が通説です。
又、ショット数、即ち、シャッターを押す回数では、デジカメが、アナログの5倍以上とも言われておりますが、これが、従来の様に、即、写真のプリントに結 び付かないところが、弊社の如き写真感光材料メーカーにとっては、実に頭の痛いところです。
デジカメで撮られたイメージは、通常、メデイア・カードに保存されますが、ここから従来と全く同じ、写真プリントが、同じ値段で手に入るのを、御存じで無い方も、決して少なく無いと思われます。
今日では、色々な方法が可能ですが、一番簡単なのは、このカードを、従来のフイルムと同じ様に、写真屋さんに持込まれれば宜敷いのです。

因みに、フランスの家庭では、写真現像・プリントをお店に持込むのは、主婦が過半数との最近のデータが御座居ます。皆様も、デジカメで撮られた後は、是非、この「最も"簡便な"方法」を採られることを、お勧めします。

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