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インターネット社会を支える縁の下の力持ち/テレハウスヨーロッパ パリ支店

 

「データセンター」という言葉をお聞きになったことはありますか?

 


センター内

データセンターはサーバなど、お客様の通信設備をお預かり し、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスを提供する施設で、IDカードによる入退室管理やビデオカメラによる24時間監視など高度なセキュリ ティを確保しており、あわせて、自家発電設備や高度な空調設備を備えています。言わば、通信事業者を中心とするお客様の設備をお預かりする巨大なアパルト マンです。


Boulevard Voltaireの2号センター 

 

テレハウスヨーロッパはデータセンターを事業とするKDDIの英国現地法人で、パリはその支店です。ロンドン で事業を開始したのは88年に遡りますが、他社に先駆けてパリに進出し、パリ中心部rue des Jeuneurs(2区)で第一号センターの運用を開始したのは、通信が自由化される98年に先立つ96年のことです。rue des Jeuneurs一帯は昔からSentierと呼ばれ、衣料卸売業者がひしめくエリアですが、同センターが当時は唯一のデータセンターでしたので、通信事 業者やインターネット関連事業者が一気に集中し、米国シリコンバレーを文字って、Silicon Sentierと呼ばれるようになりました。その後、99年にBoulevard Voltaire(11区)で第2号センターの運用を開始し、現在に至っています。

 

データセンターの命は電力・空調と通信回線の接続性です。

 

どんなに高価なサーバやルータも、電力がなければただの箱ですし、常に高熱を発するそれらの通信機器が正常に作動するためには、数万・あるセンター内の隅々を365日、24時間一定の温度(22℃前後)に保つ必要があります。

  弊 社の場合、特に電力はEDFの2系統の送電所から供給されており、万一片方の送電がストップした場合は瞬時にもう一方からの送電に切り替わります。仮に EDFからの送電が全てストップした場合も、UPS(無停電電源装置)が瞬時に作動し、EDFからの送電再開を待つことになります。UPSのバッテリーで の対応が難しくなると巨大な自家発電装置を作動させ、給電を継続します。

 

設備をお預かりするだけのハウジングとは異なり、通信回線の接続性はデータセンターの重要な特徴です。データセンターにはフランステレコムなどの主要通信 事業者やインターネット事業者の他、IX(Internet Exchange)と呼ばれるインターネット接続ポイントを誘致しており、通信事業者などのお客様はセンター内に設備を置くだけで、高速道路のコンジャン クションにいるが如く、あらゆる通信事業者やインターネット事業者との高速通信回線による接続が瞬時に可能になります。

 

流れの早いインターネットビジネスの世界では、中核事業以外はアウトソーシングすることが競争力強化に繋がるため、インターネットの普及に伴ってデータセンターの需要は増大していますが、この傾向は最近、金融機関やメーカーなどの一般企業にも広がっています。

 

データセンター事業に関するフランスの具体的な統計はありませんが、年間数百億円レベルの市場ではないかと想定しています(因みに日本における同市場は 2003年度で2千億円程度との試算があります)。データセンターは通信関連の巨大な市場と比較すると極めてニッチなビジネスではありますが、インター ネットを活用した新たなビジネスの観点から見ると、ネットワークインフラビジネスとコンテンツ・アプリケーションビジネスを繋ぐプラットフォームビジネス であり、その重要性は今後益々高まるものと考えています。

 

皆さんがインターネットでウェブをご覧になったり、メールを送受信なさる時、データセンターのことをふと思い出していただけると幸甚です。

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