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保険屋さんも保険を買っているってご存じですか?/損保ジャパンヨーロッパ

ちょっと堅い話で恐縮ですが、皆様は保険屋さんも保険を買っているってご存じですか? あるいは、ロイズ オブ ロンドンという組織の名前など一度はお耳にされたことはありませんか? え、保険の専門家のはずなのに保険を買うなんて何だか変だよ、との声が聞えて来そうですね!

 

保険の世界は、日本では約款の字が小さくて見にくいし、分かりづらいとのご指摘を良く頂戴します。(昨今は各社とも皆様のご要望にお応えできるよう、それなりに努力はしているのですが、まだまだ改善の余地は多々あり…。) 但し、保険は極端に言うと、一つには いくらお客様から保険料(掛金)を頂戴し、お客様のいざという時(事故が起きた時)に、
 その損害に対し、いくらお支払い(保険金を)するか
との
分子 ( 保険金 ) ÷ 分母 ( 保険料 ( 掛金 ) )
という単純?な数式によって成り立っている世界と言うこともできます。

 

ところで、保険会社は例えばお客様1社だけの保険をお引受けしているわけではなく、何十万・何百万件という多くのご契約をご頂戴して各社のポートフォリオを形成しています。
そこで、万が一大きな事故が発生し、これら多くのお客様に一時に事故が集中して発生したらどうでしょう? 
実際、日本であれば、例えば毎年何号かは上陸・接近する台風などによる風水災や地震といった自然災害などの発生がごく容易にご想像いただけると思います。 ここフランスでも、1999年のクリスマスには、今もベルサイユ宮殿の庭やブローニュの森に爪跡を残す大暴風雨が発生、多くのお客様がその被害に遭われて います。
あるいは、多大なご投資をされて建設された工場で不幸にして火災や爆発が発生し、工場全体が焼失、加えて長期にわたる操業停止によって売上利益が大きく失 われ、保険会社からのお支払いも相当大きな金額になったことも実際に過去少なからず起きています。

 

このような万一の時(業界では「リスク(危険)の集積」と言ったりします)、保険会社は、全力をあげて事故の処理・保険金の支払いに当りますが、一時期に 大きなお金が当然必要となるのはご想像の通りです。上記の算式で当てはめると分母・分子の分子の部分が一時に大きく膨らむ状態です。

 

そのような時に対応するため、保険会社ではいろいろな方法で予め準備しているのですが、一般的に広く活用されているのは、事前に「リスクを分散させておく」という手法です。これが、いわゆる「再保険(サイホケン)」と言われる仕組で、冒頭の通り保険屋さんが前もって保険を買っておくということです。
保険会社も一人で頑張るのにはやはり限界があって、保険屋さんが他の保険屋さんから自分のポートフォリオを守る保険を買っておきます。それによって「リスクの集積=分子の一時的な増加」の場合、それを抑制・平準化させているということなのです。皆様、最初の質問の答え、何となくご理解いただけたでしょうか?

 

例えば上記ロイズのような組織や再保険のみを専門に引受けている大手の保険会社もこの世界(業界では「再保険マーケット」と呼んでいます)にはいますが、 世界中のほとんどの保険会社は多かれ少なかれこの再保険マーケット・仕組に参加・利用し、お互いに「リスクを分散」しながら、各々のお客様のいざの時に備 えているわけです。

 

但しこの再保険マーケット、2001年9月11日を期に大変な状況になったことはまだ記憶に新しい話しであり、ご存じの方も非常に多いと思います。未曾有 の事故発生の直後からマーケットは大混乱し、多くの保険会社が「リスクの分散」ができなくなるだけでなく、再保険料(保険会社が支払う再保険掛金)の高騰 というダブルパンチを受け、このマーケットからの徹底を余儀なくされた保険会社もありました。
誰も想像しえなかったあのようなテロ発生から約2年9ヶ月、未だこのうねりが収束したとは言えない状況です。昨今の混迷度を増すイラク情勢・世界経済全体 の見通し等々とも絡んで、今後もこのマーケットは依然不透明との予想も出ており、業界人としては、暫くない知恵を絞る頭の痛い日々が続きそうな状況で す…。

 

最後になりますが、保険会社では事故のお支払いだけでなく、そもそもお客様がどうしたら事故が起きないようにするか、事故を未然に防止するにはどうしたら良いかを実際に工場や倉庫などの現場にお邪魔してアドバイスする防災診断・提案サービス(またまた業界用語で「ロス プリベンション サービス」などと言いますが)も、大変重要な仕事として行っています。
ご存じでしたか? まだご存じない皆様は一度お験しのご検討をされてはいかがですか…。

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